ippo2011

心のたねを言の葉として

CIA(米中央情報局)の自民党への資金援助

【特別対談】名越健郎×春名幹男:「米露公文書」で解き明かす日本外交「秘史」(中)

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名越健郎:ところでCIA(米中央情報局)の自民党への資金援助についてですが、60年安保の前後7~8年にわたって、資金が自民党に送られたようです。CIAから直接、または米国の一部企業、特にロッキード社などを通じて渡ったというのが、状況証拠からもはっきりしている。米国務省が2006年に初めて資金援助の事実を認めたことでもあります。

 ただし、金額など細部はわかりません。これを示唆する文書としては、佐藤栄作が1958年に米大使館員に資金援助を頼んだという文書は公開されていますが、CIAは基本的には文書公開を拒否しています。

 2006年、国務省が編纂する外交資料集『合衆国の外交』は冒頭、「編集ノート」を掲載し、1964年まで7~8年にわたって対日資金工作を行っていたこと、1960年の民社党の分裂に際しても米国の資金が西尾末広(注・元社会党書記長。片山哲内閣で官房長官芦田均内閣で副総理を歴任。社会党を飛び出して民社党を設立、初代委員長に就任)グループに渡っていたことを確認しています。それ以降は新たな情報公開はありません。CIAはダーティーな対日工作についてはずっと沈黙を保つということになるのでしょうか。

春名幹男:CIAのオペレーション部門については、文書の公開を免除されているんです。もちろん場合によっては公開することもできますが、CIAはこの免除を隠れ蓑にしているというところはありますね。