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心のたねを言の葉として

樹木希林の言葉  映画『人生フルーツ』

樹木希林の言葉  映画『人生フルーツ』(2017年 伏原健之)

 

散らかさなくてつつましくて始末がよくて、でも大胆なところもある

 

 (老夫婦の素敵な暮らしを描いた映画『人生フルーツ』の)渡された台本を下読みもせずに、ただ読んだだけ。まぁ、60年近く声で人を騙してきてるからね(笑)。ナレーションはセリフを覚えなくていいからラクだと思ってたのに、年とったら耳も遠くなるし、活舌も悪くなるし。もう限界だと、スタッフには言っているんだけど。

 英子さんは可愛らしい人でね。映画が完成した後、初めてお会いして一緒に居酒屋に行ったんですけど、いいエネルギーに満ちあふれていた。ああいう女性は、修一さんのようないい旦那さんがちゃんと来るのね。散らかさなくてつつましくて始末がよくて、でも大胆なところもある旦那さんで、本当に素敵なご夫婦。映画を見て〝こんな人生を歩めたらいう言ことなし〟だって、みんなそう思うんじゃない?

 もちろん、その人生がうらやましいとか、自分の人生がイヤだとか、そういうことはないのよ。でも、それはそれ。こういうふうな道しか歩けない私は私。だけど。津端さんのような人生は見事だなぁと思いますね。

(「最期ぐらいは裕也さんの歌を聴きながら…」2017年1月)

 



 

樹木希林の言葉  映画『夢の女』

樹木希林の言葉  映画『夢の女』(1993年 坂東玉三郎

 

凛とした生きざまが見える女優さんはなかなかいない

 

 坂東玉三郎さんが監督した『夢の女』という作品が、私は好きですね。

 これから苦界に身を落としていく新入りの遊女に話しながら、自分は去っていく。あの最後のシーンは、玉三郎さんもじっくり撮っていたし、それに応えられる小百合さんは、やはり伊達に主演女優をやっているわけではないなあと思いました。

 ある時間まではきらきら輝いているのに、気づいたら面変わりして、佇まいもすっかり変わってしまう。そうやって自分の人生を粗末にしている女優さんは少なくないんです。でも、小百合さんは自分の人生、生活、役を大事にしながら、失敗も成功も含めて自分の糧としつつ、そこにしっかりと生きている。

 玉三郎さんがこういったんですよ。「だって、希林、見てごらんよ。結局、小百合さんに目がいっちゃうんだよ」って(笑)。やはり、ただすっと立っているだけで、凛とした生きざまが見える女優さんはなかなかいないし、別にお世辞でもなんでもなく、そう代わりがいるものではないんですよ。

(「きもの好き、映画好き」2008年1月)

 

 

円谷幸吉の言葉

父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました。
敏雄兄姉上様 おすし美味しうございました。
勝美兄姉上様 ブドウ酒 リンゴ美味しうございました。
巌兄姉上様 しそめし 南ばんづけ美味しうございました。
喜久造兄姉上様 ブドウ液 養命酒美味しうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。
幸造兄姉上様 往復車に便乗さして戴き有難とうございました。モンゴいか美味しうございました。
正男兄姉上様お気を煩わして大変申し訳ありませんでした。
幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、
良介君、敬久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、
光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、
幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正嗣君、
立派な人になってください。
父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。
何卒 お許し下さい。
気が休まる事なく御苦労、御心配をお掛け致し申し訳ありません。
幸吉は父母上様の側で暮しとうございました。

 

大川原事件、元公安部3人不起訴 東京地検「故意の認定困難」 2025/01/08

大川原事件、元公安部3人不起訴 東京地検「故意の認定困難」
2025/01/08


 「大川原化工機」の社長ら幹部が外為法違反罪などの起訴を取り消された事件で、東京地検は8日、虚偽の文書を作成したなどとして刑事告発され、虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで書類送検された警視庁公安部元捜査員の男性3人を嫌疑不十分で不起訴にした。故意などの認定が困難と判断したとしている。告発した同社側は不服として検察審査会に審査を申し立てる方針。

 同庁などによると、3人は捜査当時、警部と警部補、巡査部長で、警部は既に退職した。

 巡査部長の書類送検容疑は2019年5月、同社の「噴霧乾燥装置」に関する温度実験で、うその捜査報告書を作成した疑い。退職した警部と警部補は20年3月、同社元取締役島田順司さんの言い分を聞き取る弁解録取書を裁断した上、過失で破棄したとする虚偽の報告書を同庁に出すなどした疑いで書類送検されていた。

 大川原化工機側が24年に告発した。告発状によると、島田さんは警部補に弁解録取書の一部修正を求めたが、警部補は指摘の通りに直さず、署名後に気付いた島田さんから抗議を受け、その後破棄した。

© 一般社団法人共同通信社

 

春立つや身に副うは春兆の号ひとつ   花田春兆

さようなら、花田春兆さん(佐高信


5月19日、花田さんの通夜に行ってきました。91歳だったんですね。
「存命なのか、と気になっている俳人が二人いる。一人はホームレスの大石太であり、もう一人は脳性マヒの花田春兆(はなだしゅんちょう)である」
2005年11月18日号の本誌「風速計」欄に私はこう書いてしまいました。するとまもなく、花田さんから「生きてますよ」というメールが寄せられたのですね。恐縮して返事を送りましたが、私は花田さんが53歳の時に出した『折れたクレヨン――私の身障歳時記』(ぶどう社)を繰り返し読みました。
題名は「就学猶予クレヨンポキポキ折りて泣きし」という句から採られています。学校に行きたいのに「就学猶予願い」を出さなければならない無念を詠んだ句でした。2回目にそれを出す時には、隣家の年下の子の入学を横目に見ていただけに「どうにも我慢しきれないものが湧いて」きたのですね。
東風つのるな松籟にふと兵馬の声
この句を花田さんは次のように解説しています。
「なにかにつけて、そこに戦争への予兆を見てしまうのは、私たちの世代の特徴なのかもしれない。前後の世代なり他の人々から見れば、それは極端なアレルギー症状と映るかもしれない。ましてや、障害者なのだから兵役の心配もないのだから、関係など無いではないか、と言われるかもしれない。だが、それは違う。非常の事態になればなるほど、人間は動物的能力だけが問題になるのだ。動物的能力に欠ける障害者が、惨めな存在になるのは、あまりにも明らかである」


     「ぼくの場合、ボケの上にトがつく」
光る夏雲健ならば夙く戦死の身
花田さんは1944年春に徴兵検査を受けていますね。健かならば「南海の雲を墓標にしていた可能性は濃かった」のです。
春立つや身に副うは春兆の号ひとつ
花田さんの句の中で私はこの句が一番好きです。「学歴・職歴・家庭歴とすべてにわたって、これが自分のものだと言えるものがない。飾りとなり、重みとなるものが何一つ無い」当時の花田さんにとって、結局、わが身に付いているものは俳号だけでした。
その花田さんと2006年春に『俳句界』で対談しましたが、顔の色艶のよさと若々しさに圧倒されました。
電動車椅子で出かけた喫茶店で話している間も、二人でとにかくよく笑いましたが、私は不謹慎だとは思いませんでした。そんな形式ばった礼儀を吹きとばすようなエネルギーが花田さんにはあふれていたからです。
「花田さんと話していると、油断できませんね。私も去年還暦を迎えましたが、ボケてはおられません」
と私が言うと、花田さんは、
「ぼくの場合、ボケの上にトがつく」
とかわすので、私は、
「なるほど、トボケね。そうやって人生を煙に巻いて生きているんでしょう、参った!」
と言わざるをえませんでした。
そんな花田さんは「人を喰って生きている」と言われることもあったとか。
生まれたころの医学水準では12歳で死ぬと言われていたという重度の脳性マヒの花田さんは、それに抗うように91歳まで生きました。
花田さんに会った人はみんな、その明るさに元気づけられたと思います。
そう言ったら花田さんは、
「入った学校の名前は“光明”でした」
と茶化していましたが、花田さんが亡くなって、この世の明るさが確実に減りました。花田さん、あの世からこの世を照らし続けて下さい。
(さたか まこと・『週刊金曜日編集委員、5月26日号)


花田春兆
1925年(大正14年)10月22日、大阪府に生まれる。
2017年(平成29年)5月13日(享年91歳)。

 

ごはんを食べてくれない息子に パパが一言!

【ごはんを食べてくれない息子に パパが一言!
  それからの食事が楽しくなった♪】


私には二人の息子がいます。
長男(太郎)は3歳半
次男(次郎)は1歳です。
最近長男が
『ごはん食べたくない!!
 たろう、おかし食べる!』
と、ろくに食事をしないで
間食ばかりしてしまうのです。
その日もいつものように
私と長男、次男の3人で
夕食をとっていました。
手がかかる次男の近くに
私が座って困惑しながらも
手づかみ食べを見守っています。
すると、玄関のドアが開き
パパ(主人)が帰ってきました。
平日の子供たちの食事の時間に
帰れることはとても珍しいので
子供たちは大はしゃぎでした。
しばらくしてごはんをまだ
全体の2割も食べていないうちに
いつものように長男が
『もうおなかいっぱーい!
 アイスにしよ!』
と言いました。
私は、こう言われることに
慣れてしまっていたのと
次男がまき散らかす
お米や汁物の処理に気を取られていて
この発言をあまり深く受け止めて
あげられませんでした。
そこで主人がゆっくりと立ち上がり
ソファへ移動してから長男を呼びました。
『太郎、パパの膝に座って。少し話そう。』
アイスを食べたくて仕方のない長男は
アイスを取って行こうとしたのですが
主人はそれをさせませんでした。
長男はいまアイスを
食べさせてもらえないことに
怒ったり泣いたりして
主人の膝に乗るまで時間がかかりましたが
やがて長男と主人は
向かい合って目を見て話し始めました。
私は、ごはんを食べないことを
怒ってくれるのかなぁと内心ニヤニヤ。
パパ
『太郎、よくママに
 プレゼント作ってあげるよね?』
太郎
『うん、今日もね、お花とって
 かみでつつんで、あげたの』
パパ
『ママ、なんて言った?』
太郎
『ママ、うれしいっていった。
 そこにかざってあるよ!』
と一輪ざしを指さして。
パパ
『じゃあね、ママが
 太郎のプレゼントなんかいらない
 こんなお花じゃなくて他のが
 いいって言ったらどんな気持ち?』
太郎
『・・・(ショックを受けて)いやだあ』
口がへの字に曲がって
まぶたから顔全体が
真っ赤になって涙が溢れてきました。
もともとご機嫌ナナメなことも要因ですが
この会話だけで本気で傷つき
ショックを受ける子供の想像力はすごい。
パパ
『ママが毎日作ってくれるご飯はね
 お前へのプレゼントなんだよ。
 太郎が喜んでくれると思って
 嬉しい気持ちで作ってるんだ。
 それは、お前がママのために
 お花をつんでいるときの気持ちと
 同じだね。』
太郎
『うん。。(泣いている)』
パパ
『ママはね、お前のために
 一生懸命作ったプレゼントを
 いらないって言われて
 毎日自分で捨ててるんだよ。
 どんな気持ちかな。』
太郎は大きな声で泣きました。
ごめんなさいママ~
と言いながら、泣きました。
主人の言葉。
向かい合う姿勢。
プレゼントという言葉。
全てが、長男に染み込んでいくのが
わかりました。
しかし長男は泣きながらこうも言いました。
『ママといっしょに
 たべたかったんだもんー
 あちゅまれしてほしいんだもんー』
今度はこれが私に刺さりました。
正直、毎日の食事では
次男にばかり気を取られていました。
ごはんをこぼすしまき散らすからといって
自分はほとんど座らず片付けてばかり
ゆっくり食べることもなかった。
『お兄ちゃんは
 自分で食べられるから偉いね』
という本意は
『1人でしっかり食べてね』
だったのかもしれない。
次男も一緒に食事をするようになってから
そういえば長男は『あちゅまれして』
と言わなくなった。
『あつまれ』とは
お皿に散在しているご飯を
スプーンでかき集めること。
昔はよく言ってたけど
成長したんだなぁ
なんて勝手に思っていました。
でも違った。
ママこそ本当にごめんなさい。
ごはんを食べなくなってしまったのには
とても大きな理由があったんだね。
どんなに凝ったご飯より
ママがきみを想って
ちゃんと一緒に食べることが
一番のプレゼントになるんだね。
長男は『あつまれ』をしてほしかったんだ。
3人でいるのに
ひとりぼっちを感じていたんだ。
と気付けたのです。
それから私は長男とのご飯が
楽しみになりました。
『ママのぷれじぇんとぜーんぶピカリン
(残さずキレイに食べること)
 しちゃうもんね~』
とはりきってくれています。
普段はほとんど家にいない主人ですが
彼もこうして大きなプレゼントをくれます。
家族のことをよく見てくれている
それが本当にありがたいし
一番効果的な育児をしてくれていると思います。
おむつを替えるよりミルクをつくるより、
ずっとね。
※ちょっと ええやん!!より

 

捕虜は出さない?ロシア派遣の北朝鮮部隊 実態は?  2025年1月7日

捕虜は出さない?ロシア派遣の北朝鮮部隊 実態は?
2025年1月7日  NHK

 

“有事の際にはロシア介入”と思わせたい?
もちろんその目的はあります。

北朝鮮にとって重要なのは、北朝鮮が派兵したことで、今度はロシアが北朝鮮にも派兵するだろうとアメリカ側に見せる。それが重要なんです。

今まで北朝鮮はいくつかの国と軍事同盟条約を結んでいますが、どれ1つとして機能したことがありません。ソ連にいたっては、韓国と国交を結んで、条約が意味がないということを見せてしまったわけです。

だから北朝鮮はあまり安全保障関係の条約というものを信じていません。形の上で結びますが、それが本当に国を救ってくれるとは思っていないんです。それでも国家間の信義、またはそのリーダーシップ同士の関係によって、派兵してくれるだろうと相手側に見せる、アメリカや韓国に見せるということをします。

それが今回の派兵であり、北朝鮮を攻めたら、ロシアも一緒に戦ってくれる危険があるということを見せているんです。自国の防衛という意味では、将来への布石ですね。


期待しているのはロシアからの軍事技術?
最高指導者とか、朝鮮労働党の上のほうではそれはたぶん期待していると思います。

ただ、北朝鮮が必要としている軍事技術というのは、高度なものをもらえばいいわけではありません。地形などの条件が全く違うので、もらっても仕方がない軍事技術もあります。

北朝鮮が韓国または日本やアメリカとの戦争でどういう想定をしていて、どういうものが必要だと考えているのか、今はよくわかっていません。

北朝鮮は今までミサイルとか高度な科学力が必要なものを開発してきたので、そちらに特化してるんじゃないかと思われていますが、実際には戦車とかでもかなり改良に改良を重ねています。

戦闘機の製造能力がないので戦闘機の製造を必要としているということも考えられるんですが、その一方でキム・イルソン氏は「大きな国じゃないんだからスピードの速い超音速戦闘機なんかわが国に必要ない」とも言っています。

これから北朝鮮がどういうものが必要なのかをロシアに少しずつ要求していくんだと思います。ロシアもウクライナとの戦争で助けてもらったので、そこは引き受けるというふうになっていくんでしょう。