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心のたねを言の葉として

日本の権力構造がいかに腐敗しているか

日本の権力構造がいかに腐敗しているか、それは一つの事件を追うだけでも見えてくる

                        関川宗英

 

 

 安倍銃撃後の2022年7月10日、フランスのフィガロ紙は、銃撃事件に関する記事の中で「日本の警察は、権力に近いレイプ犯の起訴を止めたことで有名な中村格氏が現在トップを務めている」と報道した。

 「権力に近いレイプ犯」とは、元TBSワシントン支局長、山口敬之のことだ。 




 山口敬之のレイプ事件は、2015年4月3日に起きた。ジャーナリストの伊藤詩織さんをホテルに連れ込み、レイプしたというものだ。

 その事件から7年、なんと安倍晋三銃撃事件の前日の7月7日、最高裁は山口の上告を退けている。山口敬之のレイプは認定された。



最高裁 伊藤詩織さんの性的被害認め 賠償命じる判決確定

2022年7月8日 NHK 

 

ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之さんに性的暴行を受けたと訴えた裁判で、最高裁判所は双方の上告を退ける決定をし、山口さんに330万円余りの賠償を命じるなどした判決が確定しました。

ジャーナリストの伊藤詩織さんは7年前、元TBS記者の山口敬之さんとの食事で酒に酔って意識を失い、性的暴行を受けたとして賠償を求めました。

山口さんは同意があったと主張して争っていましたが、2審の東京高等裁判所は「伊藤さんの供述は具体的で一貫しており、信用できる。同意がないのに性行為を行ったと認めるのが相当だ」と指摘し、1審に続いて伊藤さんの訴えを認め、330万円余りの賠償を命じました。

一方、事実と異なる内容を公表され名誉を傷つけられたという山口さんの訴えについては、1審は退けましたが、2審は「記者会見や著書の内容のうち、食事中にデートレイプドラッグを飲まされたという部分は的確な証拠がなく、真実とはいえない」と一部認め、伊藤さんにも55万円の賠償を命じました。

これについて双方が不服として上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の山口厚裁判長は、8日までに退ける決定をし、2審の判決が確定しました。

 

伊藤さんの会見 #MeToo 性被害をめぐる議論のきっかけに

伊藤詩織さんは被害について告訴しましたが、東京地方検察庁は嫌疑不十分で不起訴としました。

これについて伊藤さんは2017年、検察審査会に不服を申し立てるとともに、顔や名前を明らかにして記者会見を開き、性被害にあったと訴えました。

確定した2審の判決は、伊藤さんが被害を公表したことについて「性犯罪の被害にあった女性が泣き寝入りせざるをえない状況を憂慮し、これを改めるきっかけにしたいという目的で、公益を図るためだった」と認定しています。

伊藤さんの会見は「#MeToo」の動きが世界で広がる中で注目を集め、日本での性被害をめぐる議論のきっかけにもなりました。

刑事事件については、その後、検察審査会が不起訴が相当だと議決しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220708/k10013708631000.html