科学は万能ではない
科学は万能だと信じている方がいると思いますが、科学は万能ではありません。特に地震学などはまだヨチヨチ歩きのヒヨコのようなものです。地震学の知見はパーセントで表せば1%位しか分かっていないのだと思います。残りの99%は未知の学問です。
そんな地震学者が、しかも電力会社の雇われ学者は、皆さん御用学者ですから、お金のためならお尻の穴まで舐めるような、「地位亡者」か「金亡者」が大半でしょう。そんな「学者」や「専門家」が「ここでは巨大な地震は起きません」と言っても信用できません。 そこで巨大地震が起きたら、彼らは必ずこう言いうでしょう。「この地震は想定外の地震です」と言って逃げるのです。福島原発事故も御用学者はそう言ってみなさん逃げました。
実際には「強震動予測」という計算式があります。1番有名な計算式は「入倉・三宅式」というものです。この予測式は活断層の長さや縦の幅などから、その原発の周辺にある活断層から、もし周辺の活断層が動いたらどれだけの地震が起きる可能性があるかを予測するものです。それを予測するにはこれまでに起きた地震を近代的な地震計で測定したモデルから、パラメーター(変数とか係数)を求め、その係数を「入倉・三宅式」に当てはめて、その敷地で起きる最大の地震動を予測するものです。
しかし、問題はそこに当てはめるモデルの地震が戦後最新の地震計で測定された加速度(カイン・ガル)を当てはめて、そこで動いた活断層の長さや幅を測定してモデルにした係数なのですが、それが僅か20数例しかないのだそうです。モデルの地震が千件や万件もあれば地震のモデルとして少しは信用できるかもしれませんが、そんなに少ないなら、それを超える地震が起きた場合は、「想定外」と言われてしまいかねません。
そして最大の問題は計算式に入れる活断層がどれだけ正確に調べられるかという問題です。今回の能登半島地震が動いた活断層は未知の活断層でした。志賀原発の耐震設計基準は超えなかったと北陸電力は話していますが、想定外の地震でしたので、こんな大きな地震が襲うとは想定してなかったはずです。つまり、強振動予測の測定式「入倉・三宅式」を使っても、見えない地下に潜んでいる活断層が揺れれば、間違いなく強振動予測を超える巨大な地震に見舞われる可能性は捨てきらないのです。
日本には活断層が2,000ほどあるそうです。東京大学出版が出している書籍に「新編日本の活断層」という書籍があります。定価38,500円です。それには約2,000カ所の活断層が載っています。しかし、問題は日本列島の地下には見えない活断層が、その2倍ほどあるというのです。つまり「強振動予測」が可能なのは見える活断層だけに当てはまるものであって、見えない活断層には当てはまらないのです。
次にもう1つの問題があります。「強振動予測」は見える活断層の長さや幅で地震の揺れをパラメーターで係数を入れるといいましたが、Aという活断層とBという活断層が同一緯度や経度で離れて走っている場合があります。その場合は、それぞれをAとBが別々に揺れると仮定します。しかし、そのAとBの活断層は地下でつながっていることなど普通に考えられるのです。そうすると10キロのAと20キロのBは100キロ離れていて、それが一緒に動いたら、130キロの活断層が一気に動いて巨大にな地震を引き起こすのです。今回の能登半島地震はそれぞればらばらの活断層が地下で繋がっていて、総延長150キロが一緒にや別々に動いたと言われているのです。
未知の活断層は必ずあるし、それはいつ動くかもしれないという可能性を最大限に予測して、「地震はこない」と過信するのではなく、「地震はいつ来るかも知れない」と、自然の力を恐れて、最大限の予防措置を取ることが大事なのです。
つまり、私たちは地震を止めることはできませんが、地震が来ても大きな災害にならないように、危険因子は排除することはできるのです。ですから謙虚な姿勢でこれからも対応しようではありませんか。