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国連安保理 アメリカとロシアの決議案 いずれも否決される事態  2023年10月26日

国連安保理 アメリカとロシアの決議案 いずれも否決される事態
2023年10月26日 NHK

 

イスラエル軍イスラム組織ハマスの軍事衝突をめぐり、国連の安全保障理事会では、アメリカが提出した「戦闘の一時的な停止」などを求める決議案が、ロシアと中国の拒否権によって否決されました。
これに続いてロシアが提出した「即時停戦」を求める決議案も採択に必要な賛成が得られずに否決され、安保理はまたしても一致した対応をとれない事態となりました。

国連安保理では25日午後、日本時間の26日朝、アメリカとロシアがとりまとめた2つの決議案の採決が相次いで行われました。

このうちアメリカの決議案は、すべての国の自衛権を確認したうえで、ガザ地区への人道支援を行うために「戦闘の一時的な停止」を含むあらゆる措置を講じるよう求めていましたが、採決の結果、15か国のうちアメリカや日本など10か国が賛成したものの、常任理事国のロシアと中国がそろって拒否権を行使し、決議案は否決されました。

続いて採決が行われたロシアの決議案は、ガザ地区の封鎖を非難し、人道目的での「即時停戦」などを求めていましたが、賛成したのはロシアや中国、UAEアラブ首長国連邦など4か国にとどまり、アメリカとイギリスが反対、ほかの9か国が棄権して採択に必要な賛成が得られず、こちらも否決されました。

会合でアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「ロシアと中国の拒否権行使に深く失望している」と述べ、各国との調整を行わなかったロシアを非難したの対し、ロシアのネベンジャ国連大使アメリカの決議案について「事態を悪化させ、一般市民を救うよりもアメリカの中東政策の強化をねらっている」と非難しました。

アメリカとロシアの決議案が双方の対立からいずれも否決され、安保理はまたしても危機的な状況を前に一致した対応をとれない事態に陥っています。