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心のたねを言の葉として

2020年、安倍政権の閣議決定が教科書の記述をすべて変えた

2020年、安倍政権の閣議決定が教科書の記述をすべて変えた

 

 2022年春、社会科の全ての教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」の言葉が消えたそうだ。

 95年度の申請時には教科書会社の7社全てが『従軍慰安婦』もしくは『慰安施設』と『強制連行』を記載していた。

 なぜ「従軍慰安婦」「強制連行」の言葉が消えたのか。それは閣議決定のためだ。



従軍慰安婦」「強制連行」 教科書会社5社の訂正申請を承認

2021年9月8日 NHKニュース 

慰安婦問題や太平洋戦争中の徴用についての用語に関する政府の閣議決定を受けて、文部科学省は、教科書会社5社から「従軍慰安婦」と「強制連行」という用語の削除や変更の訂正申請があり、承認したことを明らかにしました。

政府はことし4月、慰安婦問題をめぐり誤解を招くおそれがあるとして「従軍慰安婦」ではなく「慰安婦」という用語を、太平洋戦争中の「徴用」をめぐっては「強制連行」や「連行」ではなく「徴用」を用いることが適切だとする答弁書閣議決定しています。

これを受け文部科学省は、社会科の教科書を発行する会社を対象に記述の訂正申請に関する異例の説明会を開き、例として6月末までに申請する日程を示していました。

文部科学省は、その後、教科書会社5社から合わせて29冊の記述について「従軍慰安婦」や「強制連行」という用語の削除や変更の訂正申請があり、承認したと、8日発表しました。

この中では、中学の歴史で「いわゆる従軍慰安婦」の記述が削除されたものや、高校の日本史で「強制連行」が「政府決定にもとづき配置」という記述に変更されたものもありました。

教科書の記述をめぐっては、2014年の検定基準の改正で、歴史や公民などで政府の統一的な見解がある場合はそれを取り上げることなどが盛り込まれています。





 菅内閣慰安婦問題と強制連行をめぐる答弁書閣議決定したのは2021年4月27日だった。答弁書の文言は以下の通りである。

 

慰安婦従軍慰安婦」または「いわゆる従軍慰安婦」ではなく、単に「慰安婦」という用語を用いることが適切

強制連行~朝鮮半島から内地に移入した人々の移入の経緯は様々であり、「強制連行された」もしくは「強制的に連行された」または「連行された」と一括(ひとくく)りに表現することは、適切ではない

 

 

 慰安婦が、日本軍に強制的に連行された人たちなのか、それともプロの売春婦だったのか。戦時中日本にいた朝鮮人の労働者は、強制的に連行されたのか、新たな仕事を求めた移住だったのか。従来から議論されてきた問題だ。

 「従軍慰安婦」「強制連行」の閣議決定は、この議論の結論ではない。議論となっていることについて、一方的な解釈に陥ることを「適切ではない」としたものだ。