2024/8/26
【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは25日、イスラエルに大規模な攻撃を開始したと発表した。イスラエル軍が7月下旬にレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラの軍事部門最高幹部を殺害したことへの報復。イスラエル軍はこの攻撃に先立ち、「脅威を排除する」としてレバノンに激しい空爆を実施した。
レバノンメディアは同国南部で3人が死亡したと報道。AFP通信によると、イスラエル北部で同国の海軍兵1人が死亡、2人が負傷した。
ヒスボラは、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスと連帯し、限定的な対イスラエル攻撃を続けていた。イランの首都テヘランで7月末に起きたハマス最高指導者暗殺を受け、ハマスやヒズボラの後ろ盾であるイランもイスラエルへの報復を宣言している。今後、イランなどの出方によっては、中東情勢が一層悪化する可能性がある。
ヒズボラは攻撃後の声明で、「第1段階(の作戦)は成功裏に終わった」と強調。イスラエル軍の関連施設11カ所に向けてドローンや320発以上のロケット弾を発射したと主張した。
イスラエル軍はヒズボラによる報復攻撃の前に「ミサイルやロケット弾の発射準備を確認した」として、レバノンのヒズボラ関連の標的を攻撃したと公表。軍の戦闘機約100機が数千のロケット弾発射筒を破壊したと説明した。
報復攻撃の後、イスラエルのネタニヤフ首相は緊急の治安閣議を開き、「われわれに危害を加える者を攻撃する」とヒズボラをけん制。ヒズボラの指導者ナスララ師は報復結果を評価し、十分でなければ別の機会に対応すると述べた。