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心のたねを言の葉として

ガザ病院爆発 双方が非難 対立深まり人道状況改善の糸口見えず 2023年10月18日

ガザ病院爆発 双方が非難 対立深まり人道状況改善の糸口見えず
2023年10月18日 20時58分  NHK

 

イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区の病院で17日夜に爆発が起き、多数の死傷者が出たことをめぐってイスラエルハマスは互いを非難し合っています。アメリカなど各国がガザ地区の人道危機への対応を働きかけていますが、双方の対立は深まっていて、人道状況の改善に向けた糸口は見えていません。

ガザ地区では17日夜、北部の病院で爆発があり、ハマス側はイスラエル軍空爆によって病院に避難していた多数の人々が巻き込まれ、少なくとも500人が死亡したと主張しています。

これに対してイスラエル側は、イスラエル軍の攻撃ではないと否定したうえで、ハマスとは別の武装組織「イスラム聖戦」が発射したロケット弾が病院の近くの駐車場に落下したことによる爆発だと主張しています。

この爆発を受けて、パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸地区や周辺のアラブ諸国を含む中東各国で、イスラエルを非難する激しい抗議活動が広がりました。

また、パレスチナ暫定自治政府アッバス議長やヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシシ大統領は18日、ヨルダンでアメリカのバイデン大統領と協議する予定でしたが、今回の事態を受けて延期されました。

一連の衝突で、これまでにイスラエル側では少なくとも1400人が死亡した一方、ガザ地区では少なくとも3300人が死亡し双方の死者は4700人を超えています。

ガザ地区ではこれまでにおよそ100万人の住民が家を追われ、イスラエル軍空爆が続く中、飲み水や食料、医薬品が著しく不足する状態が続いています。

イスラエル軍は18日、ガザ地区北部の住民に改めて南部に退避するよう通告しました。

また、イスラエル軍は南部では必要に応じて国際的な人道支援物資が届く予定だとしていますが、これまでのところエジプトとの境界の検問所から物資が搬入されたという情報はありません。

病院での爆発をめぐってイスラエルハマスの対立に加え、周辺のアラブ諸国でもイスラエルへの反発が強まる中、人道状況の改善に向けた糸口は見えていません。

中国外務省「強烈に非難」
ガザ地区の病院で爆発が起き多数の死傷者が出たことについて、中国外務省の報道官は18日「驚がくするとともに強烈に非難する」との談話を発表しました。

その上で「中国は即時停戦と戦闘の停止に加えて、民間人の保護に最大限の努力を尽くし、人道的な災難を回避するよう呼びかける」としています。

イラン外務省 イスラエルに制裁など提案
イスラエルと敵対するイランの外務省は18日、声明を出し、イスラム諸国でつくるOIC=イスラム協力機構の緊急会合に参加するためサウジアラビアを訪れているアブドラヒアン外相がOICの事務局長と会談し、ガザ地区の情勢などについて意見を交わしたと発表しました。

それによりますと、アブドラヒアン外相はガザ地区の病院の爆発についてイスラエルによる戦争犯罪だと主張し、法的に責任を問う必要があると強調しました。

その上で、イスラム諸国がイスラエルに対し、石油の禁輸を含む制裁を速やかに科すことや、それぞれの国からイスラエル大使を追放することなどを提案したということです。