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心のたねを言の葉として

小池百合子氏の大誤算。蓮舫議員の都知事選「電撃出馬」が炙り出した“自民党返りの変節”と“政治生命の危機”

小池百合子氏の大誤算。蓮舫議員の都知事選「電撃出馬」が炙り出した“自民党返りの変節”と“政治生命の危機”
2024.05.29 by 尾中香尚里

 

「非自民」どころか「自民と共犯関係」に

 

自らが「排除」した議員らが結党した立憲民主党希望の党を上回って野党第1党となり、自民党と対峙する勢力として成長するなかで、小池氏はもはや、国政復帰にあたり「非自民」のスタンスを取ることは不可能になった。当然である。自らの政治生命を一瞬で奪おうとした小池氏を、立憲が許すはずもないからだ。いきおい小池氏は、国政復帰には自民党の力を借りざるを得ない。

 

一方の自民党も、裏金事件で国民の支持を大きく失うなかで、東京の選挙での不戦敗を避けるため、知名度のある小池氏と連携して「勝ち」を印象づけたい。

 

小池氏と自民党の間にそんな「共犯関係」が生まれるのは必定だった。それを白日のもとにさらしたのが、今年4月の衆院東京15区補選だ。もっとも、自民党の支持を得るかどうかで陣営は混乱。補選では立憲の新人候補が圧勝し、小池氏が推した候補は5位に沈んだ。

 

小池氏は「自民党の力をうまく利用する」気でいたのだろうが、逆に自身が「自民党と同じ」とみなされる立場になった。自民党を「悪役」とすることで力を得てきたのに、国政で自民党と鋭く対峙する「立憲の顔」が自らの対抗馬となったことで、小池氏は実際に自民党の支援を受けるか否かにかかわらず「自民党側の候補」と位置づけられることになる。実際、蓮舫氏は27日の出馬会見で「政治とカネの自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットする」「変節して自民党返りをしている小池さんでは改革はできない」と述べ、小池氏の「自民党色」を強く印象づけた。

 

URL: https://www.mag2.com/p/news/600010/2