アフガニスタン西部で強い地震、2000人以上死亡の恐れ
2023年10月8日 BBCアフガニスタン西部ヘラート州で7日午前11時（日本時間同午後3時半）ごろ、マグニチュード（M）6.3の強い地震が発生した。2000人以上の死者が出ているおそれがある。
震源は、イランとの国境に近い、州都ヘラートから約40キロの地点。
この地震で多くの建物が損傷し、複数の人ががれきの下敷きになった。強い余震が少なくとも3回起きた。
タリバン政府の一部門によると、死者数が2000人を超えているとの未確認情報もある。
国連人道問題調整事務所（OCHA）によると、少なくとも465棟の家屋が全壊した。
生存者たちは、オフィスビルが揺れ始め、周辺の建物が崩れた時の恐怖について語った。
「私たちはオフィスの中にいて、突然ビルが揺れ始めた。壁のしっくいが崩れ始めて、壁に亀裂が入った。いくつかの壁や建物の一部が崩れ落ちた」と、ヘラート在住のバシール・アフマド氏はAFP通信に述べた。
「家族と連絡が取れず、ネットワークも切断されている。あまりに心配で、怖くて、ぞっとする出来事だった」
ヘラート中央病院のものとされる動画には、携帯式点滴につながれた多数の負傷者が、病院の本館の外で治療を受けている姿が映っている。緊急の治療を求める人が殺到したことを示している。
別の動画には、ヘラートのインジル地区で、壊れた建物のがれきが道路をふさぎ、救助活動を妨げている様子が確認できる。
「とても恐ろしい状況だ。こんなことは経験したことがない」と、学生のイドリース・アルサラ氏はAFP通信に語った。アルサラ氏は、地震発生後に教室から安全に避難できた最後の1人だったという。
イラン国境の東120キロに位置するヘラート市は、アフガニスタンの文化の中心地と考えられている。世界銀行の2019年のデータによると、ヘラート州には推定190万人が暮らしている。
アフガニスタンでは地震が頻発している。ユーラシアプレートとインドプレートの合流地点近くに位置するヒンドゥークシュ山脈は、特に多くの地震に見舞われている。
昨年6月には、パクティカ州でマグニチュード5.9の地震があり、1000人以上が死亡し、数万人が家を失った。
（英語記事 Hundreds feared dead in powerful Afghan earthquake）
