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高浜原発2号機が再稼働 現制度で40年超えて再稼働は3例目 福井

高浜原発2号機が再稼働 現制度で40年超えて再稼働は3例目 福井
2023年9月15日  NHK

 

運転開始から40年を超えた福井県にある関西電力の高浜原子力発電所2号機は、およそ12年間運転を停止していましたが、15日午後、原子炉を起動して再稼働しました。原則40年に制限されている運転期間を超えて再稼働するのは全国で3例目です。

福井県高浜町にある関西電力の高浜原発2号機は、運転開始から47年が経過していて、国内で廃炉になっていない原発の中で、ことし7月に再稼働した高浜原発1号機に次いで古い原発です。

2011年11月から運転を停止していて、おととし4月、県が再稼働に同意しましたが、必要なテロ対策施設が未完成だったことなどから再稼働できていませんでした。

この施設が先月完成し、国の検査などが終わったことから、15日に再稼働することになり、午後3時、中央制御室で関西電力の運転員がパネルを操作して核分裂反応を抑える制御棒を引き抜いて、原子炉を起動しました。

東京電力福島第一原発の事故のあと原則40年に制限されている運転期間を超えて再稼働するのは、同じく福井県にある美浜原発3号機、高浜原発1号機に次いで、国内では3例目となります。

関西電力によりますと、作業が順調に進めば16日朝には、原子炉で核分裂反応が連続する臨界状態に達し、今月20日には発電と送電を開始する見通しだということです。

関西電力社長「安全性最優先に緊張感持ち作業」
関西電力の高浜原子力発電所2号機が再稼働したことについて、森望社長は、15日の記者会見で「東日本大震災後の新規制基準のもと、廃止を決定したプラントを除く当社のすべての原発が再稼働することになった。立地地域をはじめ、関係者の理解と協力に感謝するとともに、安全性を最優先に緊張感を持って作業を進めていく」と述べました。

そのうえで、再稼働を受けた電気料金の見直しについては「われわれの置かれている燃料収支の動向といった経営環境など、総合的に分析をしたうえで慎重に判断していきたい」と述べ、慎重に検討していく考えを示しました。

国内の33基の原発 新基準合格で再稼働は12基
現在、国内には33基の原子力発電所があり、このうち、原発事故のあと新しい規制基準の審査に合格して再稼働したのは、高浜原発2号機を加えて全国で12基となりました。

全国ではこれまでに、
九州電力が、鹿児島県にある川内原発1号機と2号機、佐賀県にある玄海原発3号機と4号機を、
四国電力が、愛媛県にある伊方原発3号機を、
関西電力福井県にある高浜原発1号機から4号機、大飯原発3号機と4号機、美浜原発3号機を再稼働させています。

再稼働したのは、いずれも西日本の電力会社の原発で、これまでのところ東日本で再稼働した原発はありません。

政府は、脱炭素社会の実現やエネルギーの安定供給に向けて、原子力を最大限活用していく方針で、規制委員会の審査に合格した原発の再稼働を加速させるとしています。

規制委員会の審査に合格して再稼働していない原発は5基あり、このうち、
東北電力が、宮城県にある女川原発2号機を来年2月に、
中国電力が、島根県にある島根原発2号機を来年8月に、それぞれ再稼働させる計画です。

一方、茨城県にある、日本原子力発電の東海第二原発は、周辺自治体の避難計画の策定が終わっていないことなどから再稼働の時期が見通せていないほか、新潟県にある、東京電力柏崎刈羽原発6号機と7号機はおととしテロ対策上の重大な不備が相次いで明らかになり、規制委員会から事実上の運転禁止命令が出され関連する検査が続いていて、再稼働の見通しは立っていません。