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心のたねを言の葉として

福島第一原発 水の上で核燃料デブリ含む可能性の物体を初確認  2024年3月18日

福島第一原発 水の上で核燃料デブリ含む可能性の物体を初確認
2024年3月18日 NHK

 

東京電力は、福島第一原子力発電所の1号機で原子炉の真下の状況をドローンで撮影した画像を公開しました。画像では、原子炉の底から脱落した機器に、溶け落ちた「核燃料デブリ」を含む可能性がある物体が、つららのような状態で付着しているのが初めて確認されました。

東京電力福島第一原発1号機で、2月から原子炉を覆う格納容器の中にカメラ付きのドローンを入れて撮影する初めての調査を行い、18日、原子炉の真下にあたる部分で撮影した画像を公開しました。

このうちの1枚には原子炉の底から脱落した制御棒を出し入れする機器の上部に、溶け落ちた核燃料と周りの構造物が混ざり合った「核燃料デブリ」を含む可能性がある塊状の物体が付着し、一部がつららのような状態で垂れ下がっている様子が確認できます。

1号機では去年、格納容器の底にたまる水の中をロボットで調査した際、底の部分にデブリとみられる堆積物が確認されていますが、水の上で、デブリを含む可能性があるものが捉えられたのは初めてです。

これまでの調査やシミュレーションから、福島第一原発の「核燃料デブリ」の量は、1号機から3号機で合わせておよそ880トンにのぼると推計されていて、このうち1号機は、もっとも多くのデブリが格納容器の底まで溶け落ちているとみられています。

東京電力は、今回の画像をさらに詳しく分析し、デブリの取り出し方法などの検討に役立てたいとしています。

 

自民党大会で首相が改憲に意欲 懸念は参院の「高い壁」 公明の対応が焦点  2024/3/17

自民党大会で首相が改憲に意欲 懸念は参院の「高い壁」 公明の対応が焦点
2024/3/17 産経新聞

 

自民党は17日の党大会で採択した令和6年運動方針で、憲法改正に関し「年内の実現」を目指す考えを打ち出した。ただ、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件で自民が支持を失う中、立憲民主党は抵抗の構えを強めている。連立を組む公明党も慎重姿勢を崩しておらず、改憲を「党是」に掲げる自民の本気度が改めて問われる1年となる。

「激動する国際社会に対応できるのは誰なのか。自公両党の安定した連立政権以外にはない。憲法観も安全保障観もバラバラの野党に任せるわけには絶対にいかない」。岸田文雄首相(自民総裁)は党大会でこう結束を訴えた。

首相は改憲にも意欲を示したが、現状は厳しい。昨年の通常国会では3月2日に衆院憲法審査会が開かれたが、今年は令和6年度予算案が通過しても実現していない。事件の説明不足を理由に立民が難色を示しているためで、自民重鎮は「他の委員会は動いている。政治資金問題は憲法とは別。早く打開策を見いだしたい」と嘆く。

憲法審には政局と離れて議論するという暗黙のルールがあり、事件を「人質」にとる野党第一党の振る舞いは日本維新の会や国民民主党の共感も得られていない。ただ、改憲を目指す両党はかねて憲法審開催に向けた自民の努力が不十分だと指摘してきた。維新幹部は「(事件で)脛に傷があるのか知らないが、自民がやるべきことをやらない限り、落ちた支持率は戻らない」と不満を口にする。

参院憲法審における議論の遅れも懸念材料だ。自民関係者は「改憲政党に勢いがある衆院憲法審の議論は煮詰まっているが、参院はスカスカだ」と語る。


参院側で立民は護憲色が濃い辻元清美氏を野党筆頭幹事に据えるなど徹底抗戦の構えだ。自民も新たに佐藤正久氏を与党筆頭幹事に起用するが、事件が直撃した安倍派のメンバーを国会の要職から外した余波で兼務を余儀なくされており、憲法に集中できない可能性が高い。参院自民のベテラン議員は「辻元氏は弱り目の自民の足元を見ている。(状況を変え得る)衆院選が終わらないと憲法は動かない」と述べた。

改憲で公明の後押しを得られる保証もない。自民党大会に来賓として招かれた山口那津男代表は「先送りできない優先課題を差し置いて憲法に力を注ぐ状況ではない」との立場だ。自民幹部は参院が主戦場になると指摘した上で、「参院議員で改憲に慎重な山口氏が壁になる」と語る。

野党と同様、自公の憲法観も一致しているとはいえず、与党の足並みがそろうのかが憲法改正の最大の焦点となる。(内藤慎二)

 

【原発事故汚染水の海洋投棄(放出)に関連して…】福島県議会自民会派が教育現場に介入する意見書   2024.03.14

原発事故汚染水の海洋投棄(放出)に関連して…】福島県議会自民会派が教育現場に介入する意見書
2024.03.14

https://uneriunera.com/2024/03/14/manufacturingconsent3/?fbclid=IwAR3A0ZcDHRMdOzbgww489ylcROr-vd4JfwqQhg_eRcElQFZkkdcDRM1RBJk

 

 

「教育現場におけるALPS処理水の理解醸成に向けた取り組みの強化を求める意見書」

福島県議会では今、自民会派に所属する議員がこんなタイトルの意見書を提案しています。これは大問題です。「『ALPS処理水』と呼ぶか『汚染水』と呼ぶか」といった話ではなく、「政治権力が教育現場に介入していいのか?」というもっと普遍的なレベルの問題だと思っています。

 

自民会派の意見書

関係者から入手した意見書は以下です。議案提出者の矢吹貢一議員と鈴木智議員はともに自由民主党福島県議会議員会に所属しています。

自民会派が福島県議会に提案した意見書

「教育現場におけるALPS処理水の理解醸成に向けた取り組みの強化を求める意見書」

 1月下旬に開催された教職員団体の全国集会において、処理水を「汚染水」と表現した教材を使用した授業の実践例が報告されたとの報道がなされた。この事案は、科学的根拠もないまま、処理水を「核汚染水」と称して虚偽の情報を世界中に発信している中国と同様であると言わざるを得ず、またそれ以上に、純粋な子どもたちに学びを教える現場での事案であることから、看過できない問題である。教育現場においても、科学的な根拠に基づいた正確な情報による適切な教育が行われるべきである。
 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 処理水の海洋放出は長期にわたることから、全国の教育委員会に対し、放射線副読本はもとより、処理水について分かりやすい適切な資料等の活用について、改めて強く求めていくこと。
2 出前授業の拡大や教員に対する研修を通じ、放射線副読本の活用をより促進していくとともに、1人1台端末等を活用した放射線副読本の活用事例の全国展開に向けた取り組みを強化すること。


福島県議会に提案された意見書

この意見書の宛先は「国」です。国から全国の教育委員会に対して、「ALPS処理水」についての出前授業適切な資料に基づいた授業を行うように求めるべきだ、という内容の意見書になっています。

意見書は「ALPS処理水」の出前授業を全国の各学校に押しつけようとしているのです。

政治権力による教育現場への介入自体が問題

この意見書の何が問題なのでしょうか。

意見書は「海洋放出=安全」という前提に立っています。その前提についても筆者は同意できませんが、本当の問題はそこではありません。

「何を押しつけるか」が問題なのではなく、「押しつけること自体」が問題なのです。

教育基本法にはこう書いてあります。

教育基本法第十六条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。

 

「あの日 昭和20年の記憶」3月15日 (NHK出版) 藤本義一(作家)当時12歳・大阪府堺 国民学校6年

「あの日 昭和20年の記憶」3月15日 (NHK出版)
藤本義一(作家)当時12歳・大阪府堺 国民学校6年

 

 

 僕は3月13日の空襲も大変だったが、もっと大変だったのは、当時45歳だった親父は店が焼けて、財産全部失ってしまったことです。途端に神経衰弱になってしまった。それが僕自身としては戦争の一番大きな痛手だった。

 

 お袋は41歳でその後怪我をする。親父は何も言わなくなって、朝から晩までこよりばかり作る。親父の仕事は質屋で、こよりで預かったものを結んで蔵に入れておかなければならなかった。もう店もないのに、何千本も作った。

 

 本人は当然苦しいんだろうけども、見ているこちらの方はさらに、どうしたら元気を与えられるかと考えたいが、親父の姿は拒絶しているという感じがした。今の世の中でそういう徐々にその病気になる方もいらっしゃるけども、親父は突如なった。その状態は人間が生きながら死んでいるという感じ。これはたまらなかった。

 

 その後回復した親父と外出した時に、小さな小川で息を呑むような光景を見た。12、3人くらいの遊郭から逃げてきた遊女がうつ伏せ、あるいは仰向けになって死んでいる。死体を見ると、手と足が一本の紐でずーっと繋がっている。その遊郭の大将が逃げないように女たちを一列に縛っていたんです。

 

 それを見たとき、人間ができることの限界を超えてしまったような、何か悲しさよりも恐怖を覚えた。それまでも空襲の遺体は随分と見ているが、あれほど強烈で、しかも着ているものが華やかなので、かえってその無残さが迫ってきました。(抜粋)

 

坂本龍一はなぜ社会への発信を続けたのか。映画『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』が伝える教授の言葉とは   2024/03/13

坂本龍一はなぜ社会への発信を続けたのか。映画『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』が伝える教授の言葉とは

2024/03/13

 

dot.asahi.com

 

 

 ここで記しておきたいのは、坂本は自己満足的な正義を振りかざしたり、イデオロギーを押し付けたりしていたわけではないという事実だ。そうではなく、現地に足を運び、そこで暮らす人々と会話し、勉強や情報収集を続けながら、「何ができるか?」を常に自分に問いかけていたのだ。

 たとえばイラク戦争の際、「なぜ我々は殺し合いを止められないのか」という思いを抱えながら、TBSの報道番組でこのような言葉を残している。


「声高に訴えるのでもない/癒すのでもない/ただ美しい音楽がそこにあったなら/兵士たちはそれに目をとめて/人を殺すことの愚かさを/思い出すかもしれない/そんな音楽が可能だろうか」

 いくら正しい言説であっても、拒否反応を示す人は必ずいる。そのことにも理解を示しながら坂本は、迷いながら進むことを選んだのだと思う。

 晩年も坂本は、神宮外苑前の再開発に反対の意思を示すなど、最後まで声を上げることを諦めなかった。教授の遺志を継ぎ、次は私達一人ひとりが“何ができるか”を考え、声を上げるべき……と言葉にするのは簡単だが、実行するのは本当に難しい。政治や社会のことに少し意見を述べるだけで“思想強め”と揶揄され、距離を置かれることもある。日本のアーティストは相変わらず社会的なコメントを発することを周到に避け、“批判はやめて、それぞれの日常でがんばろう”という曖昧な態度によって結果的に現状を是認してしまう。そんな社会に生きていれば諦めの気持ちばかりが増えて、「面倒くさいことは考えないで、日々楽しく過ごしたほうがいいんじゃない?」と思ってしまうのも無理はないだろう。誰だって面倒は抱えたくないし、保身の気持ちから逃れられる人もおそらくいないはずだ。

 ただ、今の社会が問題だらけなのもまた事実だ。私自身も“このままじゃいけない”と“どうでもいい”の間を常に揺れているが、『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』を観て、「もしかしたら教授も自分たちと同じだったのかもしれない」と感じたことは、大きなヒントになった。常に態度をはっきりさせるのは無理でも、「これってどうなんだろう?」という逡巡することは捨てたくない。教授の残した言葉を聞きながら、そう思った。

(文/森 朋之)

 

ガザ地区“子ども1万2300人超死亡 4年間の世界紛争地上回る”  2024年3月13日

ガザ地区“子ども1万2300人超死亡 4年間の世界紛争地上回る”
2024年3月13日   NHK

 

ガザ地区の支援を担っているUNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長はガザ地区で亡くなった子どもの数が、ことし2月までの4か月間で、2022年までの4年間に世界の紛争地で亡くなった子どもの犠牲者数を上回ったと明らかにしました。

ラザリーニ事務局長は国連と、ガザ地区の保健当局からの情報をもとにした統計データなどを12日、SNSに投稿しました。

それによりますと、ガザ地区で去年10月からことし2月までの4か月間に亡くなった子どもの数は1万2300人以上に上るとしています。

これは、2019年から2022年までの4年間に世界の紛争地で死亡した子どもの数1万2193人を上回っていてラザリーニ事務局長は「この戦争は子どもたちに対する戦争であり、彼らの未来に対する戦争だ。ガザの子どもたちのために、今すぐ停戦が必要だ」と訴えています。