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安倍派会計責任者 初公判 起訴内容を大筋で認める

安倍派会計責任者 初公判 起訴内容を大筋で認める

2024/5/10 NHK

 

安倍派「清和政策研究会」の会計責任者、松本淳一郎被告(76)は、民間企業の出身で、世耕・元経済産業大臣の紹介を経て、2019年2月に安倍派「清和政策研究会」の会計責任者に就任し、事務局長も兼任しました。

安倍派の派閥側としては唯一立件され、2022年8月、当時の派閥幹部が集まって所属議員へのキックバックの取り扱いを協議した会合にも参加していたとされています。

 

きょうの初公判で…
松本被告は、おととしまでの5年間であわせておよそ6億7500万円のパーティー収入などを派閥の政治資金収支報告書に収入として記載せず、議員側にキックバックした分などほぼ同額の支出も記載しなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。

 

松本・会計責任者は、裁判長から起訴された内容について問われると、準備した紙を手元に持ちながら、「一部間違いがございます」と述べました。

そして「平成30年分と令和元年分の政治資金パーティーの収入の一部とそれに対応する支出について収支報告書を提出する時点で認識していません。それ以外については間違いございません」と述べ、大筋で認めました。

その後、弁護士が補足説明し「一部の国会議員などが派閥側の口座に入金しなかった分やこれに対応する支出については認識することもできなかった」と述べました。

額については収支報告書の収入、支出ともに、平成30年分は1300万円余り、令和元年分は2600万円余りについて認識がないと主張しました。

 

そもそも派閥の政治資金事件とは
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件では安倍派、二階派、岸田派の会計責任者や元会計責任者、それに国会議員などあわせて10人が政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で立件され、このうち略式起訴された4人はすでに有罪が確定していて、残る6人については今後、裁判が開かれます。

 

【派閥側】
安倍派「清和政策研究会」では会計責任者が2022年までの5年間で、パーティー収入などおよそ6億7500万円を派閥の政治資金収支報告書に収入として記載していなかったほか、支出についても、主に議員側にキックバックした分の6億7600万円余りを記載しなかったとして在宅起訴されています。

二階派志帥会」では、元会計責任者が2022年までの5年間でパーティー収入など2億6400万円余りを記載せず、支出についても1億1600万円余りを記載しなかったとして在宅起訴されています。

岸田派「宏池政策研究会」では、元会計責任者が2020年までの3年間のパーティー収入など3000万円余りを記載しなかったとして略式起訴され、すでに有罪が確定しています。

一方、特捜部は安倍派「5人衆」と呼ばれた松野・前官房長官、高木・前国会対策委員長、世耕・元経済産業大臣、萩生田・前政務調査会長、西村・前経済産業大臣、それに、座長を務めた塩谷・元文部科学大臣や、事務総長経験がある下村・元政務調査会長二階派の会長を務めてきた二階・元幹事長ら派閥の幹部については立件しませんでした。

 

【議員側】
議員側では、安倍派に所属し、党を除名処分となった池田佳隆 衆議院議員が2022年までの5年間に4800万円余りのキックバックを受けたにもかかわらず、政治資金収支報告書に寄付として記載しなかったとして、政策秘書とともに逮捕・起訴されました。

同じく安倍派に所属し、自民党を離党した大野泰正 参議院議員と秘書は派閥からキックバックされた5100万円余りの寄付を記載していなかったとして在宅起訴されました。

また、安倍派に所属し議員辞職した谷川弥一衆議院議員と秘書だった娘は派閥からキックバックされた4300万円余りの寄付を記載していなかったとして略式起訴され、罰金などの略式命令が確定しています。

このほか、二階・元幹事長の秘書が、3500万円余りのパーティー収入を二階派に納入せず、二階・元幹事長の資金管理団体の収支報告書に派閥側からの収入として記載していなかったとして略式起訴され、罰金などの略式命令が確定しています。

立件された10人のうち6人については今後、裁判が開かれる予定で、10日始まる松本・会計責任者の裁判のほか、6月19日には二階派の元会計責任者の初公判が開かれることになっています。