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洋上風力、EEZに拡大 改正案閣議決定 再エネ大量導入後押し 道内は適地増見込み 2024/3/12

洋上風力、EEZに拡大 改正案閣議決定 再エネ大量導入後押し 道内は適地増見込み

2024/3/12 北海道新聞

 

 政府は12日、洋上風力発電の設置海域を現在の領海内から排他的経済水域EEZ)にまで広げる再エネ海域利用法改正案を閣議決定した。今国会での成立を目指す。洋上風力の導入可能範囲を大幅に増やし、再エネの大量導入を後押しする。海に囲まれた道内は、洋上風力の適地がさらに増えることになる。
 政府は脱炭素社会に向け、洋上風力を2040年までに最大4500万キロワット導入する方針。領海内(約43万平方キロ)だけでは達成できず、さらに沖合200カイリのEEZ(領海も含め約447万平方キロ)も対象とする。斎藤健経済産業相は同日の閣議後記者会見で「安定的に大規模案件を形成していきたい」と述べた。
 法案によると、設置場所は国が風況など自然条件の良い海域を「募集区域」として指定。参入を希望し、事業計画を出した事業者に仮の許可を出す。事業者が漁業者らと協議して合意を得られれば、国が正式に許可する2段階の手続きをとる。地元との調整を丁寧に進めるためだ。
 募集区域は「領海に近いところから始める」(経産省幹部)ことを想定。1区域の発電量は、領海の1区域の倍以上となる数百万キロワットとする方針。募集区域が広い場合は、複数の事業者に許可を出す可能性もある。改正法は成立後1年以内に施行し、EEZで洋上風力が稼働するのは約10年後になるという。
 自然エネルギー財団(東京)の試算によれば、洋上風力を水深300メートル未満のEEZにまで拡大した場合、全国の洋上風力発電量のうち、風の強さなどから道内と九州がそれぞれ約3割を占めるという。
 洋上風力は現在、再エネ海域利用法に基づき、領域内の指定区域で、公募で決めた発電事業者が最長30年間の占有権を与えられている。