ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅥ「不滅の物語」を観る聴く、 『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ 2018/9/20
マカオ、ポルトガル領、アジア、西洋、資産をなした男、人々の噂話、友人をも追い立て、全てを一人で支配している、傲慢、冷たい視線を浴びせられて、孤独、追い立てた友には娘が在ったが、お屋敷の中、執事の男に読ませるのは過去の台帳、記録、現実に起こった稼いだ数値の記録、何度も読ませて、他には無いかと問いかけるが、執事も困惑、ドラマなど、作り事など興味の無い支配者、そこで語られる貧しい水夫の物語、辿りついた港での美しい資産家の人妻との恋、夢物語、私も聞いたことが在ると支配者、支配者には家族も無い、資産を受け継ぐ者も無い、その話を現実にしてみようでは無いかと、娘を、水夫の役の者を招いて、だが、物語はどこに、既に、始まりのマカオの通りにカメラが降り立ったときに、物語は始まっている、支配者を見つめる人々の頭の中に、西洋人の資産を築いた支配者の物語、権力、悪人、悪辣、傲慢、孤独、英雄、不可能の無い人物、全ての支配者、貧しさの中、アジアの港、近代化西洋の権力の中、彼らの宗教の中、彼方に、夢を求めて、ロマンを作り出し、この近代こそが不滅の物語なのでは無いか、ならば、この支配者はまことに居たのだろうか、確かに、近代の支配がアジアにアフリカに及んだのだから、全てを覆す支配は在ったのだ、この混乱の中に見いだす物語たち、そして、今、この支配者が、執事の話し、己も聞いたことのある物語を実際に実現しようと、執事は直ぐに美しい娘を見いだす、この娘こそが追われた友人の娘、娼婦なのだろうか、どこか裏のある生活、支配者は通りに貧しい青年を見いだす、水夫で在るかどうかは判らない、連れ行かれて、コインを差し出されて、芝居を演じさせられる、見事にこなせば金が手に入る、娘の過去、青年の過去、青年は未だ女を知らないままに、物語は語られるが、その物語の中の個々の背負った過去は消されて都合良く纏められてしまう、しかし、現実の娘は、青年は、それでも恋、抱き合い、求め合い、だが、真実の愛など見いだせるのだろうか、勘違い、果たして、青年の焦がれた思いとは、肉体とは、娘の恋、復讐、怒り、悲しみとは、物語のいかがわしさ、予定の芝居はなされたか、全てを支配した男、物語も己の采配の元に現実に、見届けて死、これで真実の物語として語り継がれると、しかし、青年は決して語らないと、この苦しみを、恋を、語れるか、語れるものか、支配したつもりが、物語が壊れていく、近代という、主人公の物語もまた、壊れているのだ、人々の見つめ語る物語から遠く離れて、個々の傷の中に、真実の物語とは、語りきれない物として在るのだ、彼は死した、だが、語られる物語は、終わらない、終われない、何が真実か、何か嘘か、判らない、娘は青年の子を身ごもったかもしれない、執事は彼女を支配者の跡継ぎにしたかもしれない、いや、その子供を、旅だった青年がどこかで支配者に成ったかもしれない、これら全てがまた支配者の死していく彼の頭の中の幻想かもしれないが、物語は多様に広がり、展開し、それぞれの思いの中に、心の中に、支配者の、執事の、娘の、青年の、端から見ている人々の、我々の生きるこの現実も、既に何物かに捕らわれた支配の中に、演じさせられているのだ、近代化の中、現代化の中、その外は無い、物語、芝居を演じているばかり、自由な己の主体などと云いながら、いかがわしい、語りの外には何もない、カメラの、視線の、色彩の、動きの、繋ぎの、セットの、舞台の、屋敷の、通りの、馬車の、言葉の、衣装の、動きの、コインの、つながり、繋がれて、在るばかり、そんな最中のベッドの二人、痛ましい、孤独な主人公もまた痛ましい、それを見つめる執事もまた、彼はまた実務に追われて、何をしてきたのだろうか、支配者の、娘の、青年の、ドラマを見せつけられたばかり、