アカデミー長編ドキュメンタリー賞「ノー・アザー・ランド」
監督受賞スピーチの全訳 2025/3/4
★バーセル・アドラー:
アカデミー賞に感謝します。私たち4人にとって、そして、
このドキュメンタリーを支援してくださった全ての方々にとって、とても光栄なことです。
2か月前、私は父親になりました。私の娘が、自分と同じ生活を送ることのないよう願っています。
私たちのコミュニティであるマサーフェル・ヤッタは常に入植者による暴力や家の破壊、追放の恐怖に直面しています。
『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』は、私たちが耐え続けてきた何十年にもわたる厳しい現実を映しました。
私たちは世界に対して、パレスチナ人に対する不正義と民族浄化を止めるために、真剣に行動するよう呼びかけたいのです。
ユヴァル・アブラハーム:
この映画を作ったのは、私たちパレスチナ人とイスラエル人です。
それは2つが合わされば、より強い声になるからです。
私たちは理解し合い、ガザとそこに生きる人々への残虐な破壊を終わらせなければなりません。
そして、10月7日の事件で捕らえられているイスラエルの人質は解放されなければなりません。
私はバーセルを兄弟のように思っていますが、私たちは平等ではありません。
私は民法の下で自由に生きていますが、バーセルは軍法の下で生きています。
人生を破壊され、自分で人生を選択することができません。
しかし、別の道、政治的な解決方法はあります。
どちらかの民族が優位に立つのではなく、双方が民族的な権利を持つという道です。
この場所で、私は言わなければなりません。この国(注 アメリカ)の外交政策はその妨げになっています。
それは一体、なぜですか?私たちは結びついています。
パレスチナの人達が真の意味で自由で安全ならば、私たちも本当の意味で安全でいられます。
命のために、生きるために、まだ遅くありません。それしか道はありません。
ありがとうございます。
