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心のたねを言の葉として

「YouTubeが石丸さんという虚像を積み上げた」

「若者の声」     前川喜平

 

2024/7/21 東京新聞

 


 金曜日の本紙「発言」欄は「若者の声」を載せていて面白い。しかし、19日の「石丸氏の評価転換『?』」と題された投稿にはかなり当惑した。同じ思いをした中高年読者は多いはずだ。編集部がこれを掲載した狙いはそこにあるのだろうが。
 投稿者は21歳の大学生。彼は、都知事選の後で石丸伸二候補の評価、風向きが変わり、「X」で「石丸構文」「パワハラ体質が~」などと非難する内容が現れてきたことに違和感を覚えると言い、「結果が伴わなければ、非難や誹謗中傷。これで良いのだろうか?」と結んでいる。
 石丸氏の広島県安芸高田市長時代の記者会見や市議会での言動の異様さは選挙の前から知られていたが、選挙中のネット空間には石丸氏を礼賛する情報が溢れた。石丸氏の選対事務局長だった藤川晋之助氏はBS番組で「YouTubeが石丸さんという虚像を積み上げた」と語っている。僕などはそっちの方に強烈な違和感を覚える。
 この大学生のような若者に、僕はどういう言葉を投げかけたらよいのだろう。「違和感や疑問を持つことはいいことだよ。だからそれをもっと掘り下げて考えてみよう。でも根拠のある批判と誹謗中傷はちゃんと区別しようね。君は東京新聞を読んでいるんだね。じゃあもっとよく読んでみたらどうかな」。これで通じるだろうか。(現代教育行政研究会代表)