ippo2011

心のたねを言の葉として

文学

16歳の少女の命  日野原重明

「日野原重明氏の医者としての原点」 【16歳の少女の命】 医師としての原点を語る時、もう一つ外せないのが、 医局に入ったばかりの頃、 最初に担当した結核性腹膜炎の16歳の少女です。 彼女には父親がおらず、 母親が女工として働いていました。 家が貧…

太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり

太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり 正田篠枝

― I Have A Dream! ― 私には夢がある!

― I Have A Dream! ― 私には夢がある!August 28, 1963 1963年 8月28日 I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and thesons of former slave owners will be able to sit down together at the table of broth…

向日葵を切つて真昼を手中にす

向日葵を切つて真昼を手中にす 山本 菫

「ぼくの帽子」       西條八十

「ぼくの帽子」 西條八十 母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?ええ、夏、碓氷(うすい)から霧積(きりづみ)へゆくみちで、谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。母さん、あれは好きな帽子でしたよ、僕はあのときずいぶんくやしかった、だけど、い…

日本が見えない 竹内浩三

日本が見えない 竹内浩三 この空気この音オレは日本に帰ってきた帰ってきたオレの日本に帰ってきたでもオレには日本が見えない空気がサクレツしていた軍靴がテントウしていたその時オレの目の前で大地がわれたまっ黒なオレの眼漿《がんしょう》が空間にとび…

必殺仕事人口上

必殺仕事人口上 あんた、この世をどう思う? どうって事ねえか。あんたそれでも生きてんの?この世の川を見てごらんな。石が流れて木の葉が沈む、いけねぇな。おもしろいかい? あんた死んだふりはよそうぜ。やっぱり木の葉はピラピラ流れてほしぃんだよ。石…

人間はなぜ詩を書くのか  まどみちお

まどみちお (詩人)1909-2014 命日2月28日 人間はなぜ詩を書くのか人間はなぜ息をするのか息をしないと死んでしまいます私は詩を書かないと死んでしまうほどではございませんけども息の次に大事なものがあります「言葉」でございますそれがどうしても出てくる…

大海にむかひて一人七八日泣きなむとすと家を出でにき

山は動かざれども、海は常に動けり。動かざるのは眼の如く、死の如し。しかも海は動けり。常に動けり。これ不断の覚醒なり。不朽の自由なり。 石川啄木 「函館の歌」 大海にむかひて一人七八日泣きなむとすと家を出でにき

円谷幸吉の言葉

父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました。敏雄兄姉上様 おすし美味しうございました。勝美兄姉上様 ブドウ酒 リンゴ美味しうございました。巌兄姉上様 しそめし 南ばんづけ美味しうございました。喜久造兄姉上様 …

ただ生きる             谷川俊太郎

ただ生きる 谷川俊太郎 立てなくなってはじめて学ぶ立つことの複雑さ立つことの不思議重力のむごさ優しさ 支えられてはじめて気づく一歩の重み 一歩の喜び支えてくれる手のぬくみ独りではないと知る安らぎ ただ立っていることふるさとの星の上にただ歩くこと…

初雪や一二三四五六人

初雪や一二三四五六人 一茶

『ふくらはぎ』         谷川俊太郎

『ふくらはぎ』 谷川俊太郎 俺がおととい死んだので友だちが黒い服を着こんで集まってきた驚いたことにおいおい泣いているあいつは生前俺が電話にも出なかった男まっ白なベンツに乗ってやってきた 俺はおとつい死んだのに世界は滅びる気配もない坊主の袈裟は…

「生きる」      谷川俊太郎

「生きる」 谷川俊太郎 生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ 木もれ陽がまぶしいということ ふっと或るメロディを思い出すということ くしゃみすること あなたと手をつなぐこと 生きているということ いま生きてい…

ハレルヤ <Hallelujah>

ハレルヤ <Hallelujah>作詞&作曲:Leonard Cohen日本語詞:奥野秀樹 昔のことだけど 名前も知らない 誰かがギターを弾きながらそして歌い始めた 張り裂けそうな声で 私の胸を叩いた ハレルヤハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ 運命のように流れる 河を…

ノーベル文学賞 ハン・ガン

無念さ、生きられなさ、人類の小さな声 ノーベル文学賞にハン・ガンさん 寄稿・斎藤真理子 この世の最も残酷な場所から響いてくる、あまりに親しみに満ちた声。血の通った、そして血を流しつづけている人類の小さな声。 ハン・ガンの小説にはそれが充満して…

「残酷」を娯楽とし、「他人の苦痛」を見世物にして、慰安にする

暴君の治下の臣民は、おおむね暴君よりもさらに暴である。暴君の暴政は、しばしば暴君治下の臣民の欲望を満たすことはできない。 暴君の臣民は、暴政が他人の頭上で暴れてくれるのを望むだけだ。自分はおもしろがって眺め、「残酷」を娯楽とし、「他人の苦痛…

「寅さん」の啖呵売(たんかばい)

「寅さん」の啖呵売(たんかばい) 地口(じぐち)・香具師(やし)の口上‥あれこれ 〽角は一流デパート赤木屋、黒木屋、白木屋さんで紅白粉つけた おねえちゃんから下さい頂戴で頂きますと五千が六千、七千が八千、一万円はする品物だが今日はそれだけ下さ…

「二度とない人生だから」      坂村真民

「二度とない人生だから」 坂村真民 二度とない人生だから一輪の花にも無限の愛をそそいでゆこう一羽の鳥の声にも無心の耳をかたむけてゆこう二度とない人生だから一匹のこおろぎでもふみころさないようここころしてゆこうどんなにかよろこぶことだろう二度…

「涙」       小林弘明

「涙」 小林弘明 机の引き出しを開けると 若い娘の顔が覗く 名は金正美といい 裾の赤いチマチョゴリを着た 華やいだ写真である 「チョンミ、チョンミ」と自己紹介した 彼女は到着早々に チマチョゴリに着替えて 大きな白鳥のように羽ばたいて見せた そんな彼…

「便所掃除」       濱口國雄

「便所掃除」 濱口國雄 扉をあけます頭のしんまでくさくなりますまともに見ることが出来ません神経までしびれる悲しいよごしかたです澄んだ夜明けの空気もくさくします掃除がいっペんにいやになりますむかつくようなババ糞がかけてあります どうして落着いて…

お母さん・・・ありがとう・・・

昨日4時22分に母が亡くなった。風邪一つ引かない元気な母だった。僕が幼稚園に入るころもう父はいなかった。借金作って逃げたらしい。朝は4時に起きて俺らの弁当作って6時から17時まで弁当屋でパート。帰ってきたら晩飯作ってすぐに出て行って11時…

『ぼくだけほっとかれたんや』

『ぼくだけほっとかれたんや』 あおやま たかし がっこうからうちにかえったらだれもおれへんねんあたらしいおとうちゃんもぼくのおかあちゃんもにいちゃんもそれにあかちゃんもみんなでていってしもたんやあかちゃんのおしめやらおかあちゃんのふくやらうち…

「二度とない人生だから」 坂村真民

「二度とない人生だから」 坂村真民 二度とない人生だから 一輪の花にも 無限の愛を そそいでゆこう 一羽の鳥の声にも 無心の耳を かたむけてゆこう 二度とない人生だから 一匹のこおろぎでも ふみころさないように こころしてゆこう どんなにか よろこぶこ…

1995年、米兵による少女暴行事件に抗議

1995年、米兵による少女暴行事件に抗議、高校3年生、仲村清子(すがこ)さんの訴え。 「もうヘリコプターの音はうんざりです。私はごく普通の高校3年生です。たいしたことは言えないと思いますが、ただ思ったことを素直に伝えますので聞いてください。 …

「最後の宿題」提出期限無し

黒板に書かれた「最後の宿題」提出期限無し とある学校の、病気で亡くなられた先生が、生前に担任を持ってた生徒に向けて残した最後の宿題。 「幸せになりなさい」君たちが宿題を出す頃におそらく僕は天国にいるでしょう。急いで報告に来るな。ゆっくりでえ…

「あ」

「あ」 坂村真民 一途に咲いた花たちが大地に落ちたとき“あ”とこえをたてるあれをききとめるのだつゆくさのつゆが朝日をうけたとき“あ”とこえをあげるあれをうけとめるのだ

「障がい者をかわいそうだと思うことが許せなくなった」

「障がい者をかわいそうだと思うことが許せなくなった」2014年夏の甲子園、全国高校野球選手権大会決勝戦は、大阪桐蔭が、見事優勝を果たしました。この試合の鍵となるタイムリーヒットを放ち、同校を優勝へと導いたのが、主将の中村誠選手。彼が中学3年生の…

蕭条と雨の降る夕暮れである    『いのちの初夜』 北條民雄

蕭条と雨の降る夕暮れである。何時の間にか菅笠を被っている。白い着物を着て脚絆をつけて草鞋を履いているのだ。追手は遠くで鯨波をあげている。また近寄って来るらしいのだ。蜜柑の根元にかがんで息を殺す。とたんに頭上でげらげらと笑う声がする。はっと…

「聴く力」      茨木のり子

「聴く力」 茨木のり子 ひとのこころの湖水その深浅に立ちどまり耳澄ますということがない 風の音に驚いたり鳥の声に惚けたりひとり耳そばだてるそんなしぐさからも遠ざかるばかり 小鳥の会話がわかったせいで古い樹木の難儀を救いきれいな娘の病気まで直し…